61 押し売り問答は最後まで押し切ろう


 あまりテレビは見ない方ですが、コメディアンの上島竜兵さんの芸を見て思わず笑ってしまいました。
テレビでは、誰が熱湯風呂に入るかでモメていて、上島さんが「じゃあオレが入る」と言うと、周りの芸人たちが「イヤイヤ私が入りますよ」と口々に言います。
改めて上島さんが「そうはいかない、オレが入る」と言うと、私が入りますと言っていた芸人たち全員が口を揃えて「どうぞどうぞ!」と言って結局、上島さんが熱湯風呂に入るハメになるお約束のパターン。

 ビジネスの1シーンでも、このようなケースはよくあります。
例えば接待を受けて、お返しのつもりで入ったお店の支払い。
こんなとき、気持ちとは裏ハラに、すぐに「ではスミマセンごちそうになります」では、「あの人は元から2軒目出させるつもりで誘ったな」と思われてしまいます。実はこういう些細なことの積み重ねが「あの人は信用がおけない」という印象に繋がります。
 お礼の心づもりがあるなら、かたくなに自分が払う、そんな泥くさい気持ちの伝え方が信頼を得ます。

長谷川和廣