『人のやさしさは、涙の量に比例する。』

 今、企業がいちばん求めている人材は、知識やノウハウ、あるいはテクニックの保有ではなく、やさしさや組織の仲間のことを思いやる心、つまり利他の心をもった人である。
 物的にほぼ満たされた混日、やさしさこそが、社会がいちばん飢えているものだからだ。
 だから多くの企業は、採用・社内教育に当たっては、やさしさと、利他の心を高める生き方、学び方を心がけるべきなのだ。

 こうした人財になるための一番良い方法は、心やさしい利他の心をもって人生を生きている人々の言動に真摯に学ぶことである。


 それとともに,心洗われる書物を意識的に読んだり、利他の心のあふれる場所に出かけてみたりする。

 そして恥ずることはない。人の苦しみ、悲しみ、喜びの触れ、涙することだ。


 私の経験からいえば、人のやさしさは涙の量に比例するのだから。

坂本光司