5 仕事のプロになりたかったら応用技は後回しに!

 プロフェッショナルというと、何だか人間ワザでは想像もつかないような華々しいファインプレーを連発する人物をイメージするかもしれません。しかし本当のプロとは、エラーをしない人のことです。

 もともと私は、仕事というものは95%が表面に現れない努力で、あとの5%が結果として目に見えてくるものと考えています。ですから華々しい結果があるからと言って抜擢せず、仕事をきちんとこなしているかどうかを注意深く見て昇進を決めてきました。結果主義でなく能力主義であるように心がけました。

 社員というものは、計算できる安定感があって初めて仕事を任せられるのです。
 そのような理由から、プロになるためには何より「取りこぼさないこと」が重要だと思います。そして取りこぼさない仕事をするために大事なのは1にも2にも「基本」です。一発長打を狙うより、確実なヒットを積み重ねる。そんな人材こそ、上に立つ者の目には頼もしく映るものなのです。

 長谷川和廣