『私たちがやらない、やれないよいことをしている人を見つけたら。私たちがやることはその人を支援してあげることである。』


 時代をつくる人、時代の先頭を走っている人は、ときどき時代の常識をはるかに超越した言動をする。このため、総じて「異端」と呼ばれたり、「変わり者」呼ばわりをされ、社会全体の理解を得ることが難しい。

 しかし、どう見ても、どう考えてもその人の言動が正しい、よいことと思われることがときどきある。もしそういう人が目の前にいたら、私たちにできることは、その人に降りかかる外圧を壁になって防いであげるなど、その人を可能な限り守り、支援してあげることである。

 そういう人の一人が、眼科医の服部匡志先生だ。先生はあえてどこの病院にも属さず、一年の半分を日本各地で働き、そして半分を、ボランティアで恵まれない人々の目の手術をするためにベトナムで暮らしている。

 私たちも傍観者であってはならない。



坂本光司