『中小企業には、決してやってはいけない三つの競争がある』


元気のない中小企業は、中小企業がやってはいけない三つの競争をやってしまっている。第一は価格競争、第二は品ぞろえ競争、そして第三は内部の社員間の過当競争である。

 第一の価格競争は、結果としてだれかを苦しめてしまうばかりか、近年の経済社旗のボーダレス化・ぐるーばるか・のなかではどう考えても成立しない。中小企業は、価格ではなく、商品力、人財力、マーケティング力、社会力、情報力、技術力といった、非価格競争こそを重視すべきである。

 第二の品揃え競争は、資本力、生産力、調達力のある大企業が有利に決まっている。中小企業は幅を狭め、専門特化戦略をとるべきである。

 第三の内部の社員間の競争とは、近年の行き過ぎた成果主義型人事制度や賃金制度などのことである。社員間の過度な競争は、同一組織に勝ち組と負け組を発生させ、職場がギスギスするばかりである、

 中小企業の最大の強み、財産は、大家族的経営である。過度な成果主義は決してそれにふさわしい制度とは言えない。

坂本光司
2017-11-09