『時代(次代)は二・五次産業を求めている。』

元気な企業を調べてみると、二次産業か三次産業かわからない。あるいは一次産業なのか三次産業なのかわからないタイプの企業が多い。
 しかしこれからは、このことこそ重要になると思われる。
 たとえば製造業であれば、生産機能は、もとより、研究機能や直販機能が必要になるだろう。流通業でいえば、流通機能はもとより、生産機能や研究開発機能も保有する経営が必要になる。

 簡単にいえば、自分で考え、自分でつくり、自分で売る二・五次産業化である。
 こうしたタイプの経営が評価されるゆえんは、中抜きによる大幅コストダウンの実現や、生活者に密着した商品づくり経営ができることが挙げられる。
 ただそれ以上に意味があるのは、つくった人が売る、売る人がつくるといった企業組織のほうが、社員間、部門間の責任の転嫁が行われないばかりか、より多くの社員がつくる喜び、売る喜びを体感できるようになるからである。
 その意味では今後、いかにも二次産業らしい企業、いかにも三次産業らしい企業の未来は危ういといえるだろう。

坂本光司