『中小企業と大企業は本来、対比させるべき存在ではない。生きる世界が違うのである。』


 中小企業問題や、その対策を考える場合、大企業との比較において論じる関係者が多いが、それは決定的に間違っている。こうした勘違いが、中小企業問題を複雑化、深刻化してしまったとすら考えられる。

 中小企業と大企業は、本来生きる世界が違う企業体である。だから比較し、論ずること自体ナンセンスなのだ。

 魚にたとえれば、中小企業は雑魚であり、浅瀬で泳ぐべきである。一方、大企業は鯨であり、陸から離れた広く深い海で泳ぐべきである。


 もしも雑魚である中小企業が深い海に行ったら鯨に食べられてしまうし、逆にクジラが浅瀬に来たら泳げなく死んでしまう。

 小さな生き物には、小さな生き物の生存条件がある。それをわかっていない中小企業が多すぎる。

 中小企業は、一日も早くこのことに気づき、広く深い市場とは決別し、狭い分野でオンリーワン企業、独立起業を目指すべきである。

坂本光司


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