24 ビジネスの現場に必要なのは実はネガティブ思考!


 企画会議の時、出てきた数々のアイディアに「期日的にムリがある」「予算が足りない」「どこそこの会社でも同じことをしている」などと、弱点やマイナス面を指摘し続ける人がいます。ネガティブな意見に終始する人がいると場の空気が悪くなりますし、下手をすると「もっとポジティブに考えろ!」と糾弾されかねません。


 でも、そういう発想は罪なのでしょうか?私はそうは思いません。ひとつの案件からネガティブな要素を一つひとつ洗い出していく作業は、むしろ重要な思考過程です。ポジティブ思考のワナは正常なチェック機能が働かなくなる点にあります。まさしく太平洋戦争中の大本営のように、「縁起の悪いことをいうやつは粛正!」というふうな無策の「神頼み集団」になりかねません。ですからネガティブな要素に対して、つらくても正面から向き合うことは必要です。


 ネガティブ思考はビジネスにとって重要な才能。ただし、それだけでは単にケチをつける人。嫌われないために代案を考え出せる柔軟性を持ちたいですね。


 長谷川和廣