『超優良企業は、単にビジネスモデルが優れているだけでなく、企業自身の「社会価値」が優れている。』

 優良企業は商品サービスが優れているというのは当然だが、忘れてならないのが、その社会価値も高いことだ。

 社会価値とは、社会全体におけるその企業の存在価値のことである。地域社会への思いが強く、地域社会が求めている社会貢献活動を好不況にかかわらず実践しているか否か、といった価値だ。
 
 私が「二一世紀型企業」と高く評価している企業の一つに、伊那食品工業がある。四八年連続増収増益をした企業ということで著名なエクセレントカンパニーだが、私はその業績の最大要因は、当社の社会価値がとりわけ高いからだと思っている。社員のみならず、外注企業にも顧客にも、地域住民にも愛されているのだ。
 
 いつでも、どこでも、誰でも入ることができる、まるで公園のように美しく手入れの行き届いた工業用地、渋滞をさせないための社員の車の自社工場への右折禁止、毎日ほぼ全社員での工場敷地内外の清掃活動などを行っている企業である。

 協力工場も顧客も、そして地域住民も、伊那食品工業のことを「わたしたちの自慢の会社、地域になくてはならない会社」と呼んでいる。

坂本光司

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