16 人の上に立ったら、知識の「理論武装」をし しかも強い言葉で相手にグウの音も言わせない「知的腕力」を使いなさい。

 衰退していく会社を見ていると、そこの社員たちの多くは思考停止しています。自分たちが何をしたらいいか分からず、ただ1日が過ぎればいいという集団でしかない企業もあります。

 組織の長になった時、「やる気を忘れる」「責任感を感じない」「無関心」「慣れに安住する」「無気力が気にならない」といった部下たちを目覚めさせるのはあなたの役目です。

 だからといって部下のミスを、これはいい機会だとばかりに、「いったい何年、仕事をしているんだ!」という言葉は必ずしも得策ではありません。

 私はかねがね「リーダーには知的腕力が必要」と強調してきました。頭ごなしに部下を屈服させるだけでが部下をいい方向に導くことはできません。
 自分の実力を誇示しながら部下をやる気にさせるためには、ひと工夫が必要です。叱る場合は、「できる/できない」を問題にせず、「やる/やらない」を基準に叱るのです。
 「何年仕事をしてるんだ」と言うより「どうしてすぐに〇〇に電話しなかったんだ」と言うように、具体的に指示することが大切なのです。

長谷川和廣